「私達ってさ、辛い恋しか出来ない人なのかもね？」



突然そう言い放った。



「え？俺ら？」



「うん。だって、好きな人に好きな人がいて、それで苦しんで。その後は、好きになることを諦めようとして苦しんだり、好きになってほしくて苦しんだり。たくさん苦しみすぎて大変だね？」



あははって笑う志帆。



「・・・確かにな。でもさ、最終的に俺は幸せだから、苦しんだおかげだと思うよ。」



「おおー。そういう考えもあるのか。」



感心している志帆がおかしくて笑ってしまった。



「ねぇ、弘人。・・・・・もし、言いたいことあったらちゃんと言ってほしい。さっきみたいに。それだけ、約束してよ。頼られないのは寂しいから。」



さっきまでとは違う真剣な顔。



「うん。分かった。じゃあ俺からも約束してくれる？」



「うん。もちろん。」



「じゃあ、志帆は勝手に走って逃げないって約束して。」



「えっ！？」