志帆が入院して1週間、廊下でたまたま、大樹君と恋ちゃんが志帆のお見舞いに行くって話をしていた。



俺はやっと行くのかって思ったけど黙っていた。



2人なりに考えたんだと思う。



夏に俺が言ったことと、電話で話したことを。



きっと2人ならちゃんと謝って、今よりずっといい関係になれると思う。



・・・・・・・・大樹君には恋ちゃんがいるから、志帆の恋が実らないことは分かっている。



でも、志帆が大樹君を好きなことに変わりはない。




だから、ずるい俺は告白の返事を保留にしている。



いつか、俺を好きになってくれるんじゃないかって有り得ないことを思って。



今じゃなくても、いつか、大樹君のことを諦めて俺の方を向いてほしい。



そう思っている。



それぐらい志帆が好きなんだ。



どこが好きかって言われたら、色々あるけど、なんか、直感で、志帆の隣にいたいって思うんだ。