「はーい。どーぞー。」



「志帆、久しぶり。」



「・・・・うん。久しぶり。大樹、恋。」



そう言うと恋が泣きながら抱きついてきた。




「来るの遅くなってごめんねーー!!志帆ーー!!」



びっくりしたけど、ポンポンと恋の頭撫でた。



「ほら、志帆辛いだろ。」



そう言って、恋のことを私から離す大樹。



・・・・・・・・なんか、恋人らしくなってきたな。




2人とも。




そして、




私の中で最近感じてなかった気持ちがふつふつと蘇る。



悔しいような、苦しいような。



大樹と恋は置いてあった椅子に座る。



「ありがとう。来てくれて。忙しいのに。」



「ううん。・・・・・本当はもっと早く来たかったんだけど、色々あって。」




「そっか。」



泣き目の恋の手を大樹が握っているのを見て、ちょっとだけ悲しかった。



そんなこと思っちゃ駄目なのに。




「あのさ、俺から志帆に話あるんだけど。」




「え?あっ、うん。いいよ。なに?」




「ちょっとだけ、恋廊下行っててくれるか?」




「うん。売店行って飲み物買ってくる。」




そう言って病室を出ていく恋。