確かに時々、咳き込んだりしている時があった。



「志帆ちゃん。君は・・・・肺炎なんだ。」



「肺炎?」



肺炎?



「最初は風邪だと思ったかもしれないが、そんなに長引くことはないだろ?・・・・・肺炎は風邪の症状と似ているから、見つけるのが遅かったりするんだ。・・・・・・・そして、志帆ちゃんの場合、普通の人より酷い症状だから私の許可が出るまで入院してもらわないといけない。」




待って。




一気に情報が回ってきて、訳が分からない。



志帆は肺炎で、入院してもらわないといけない?



志帆を見ると驚いた顔をしている。



そりゃそうだよな。



「お母さんには言ってあるから、これから病室に移動しよう。」



そう言うと看護師が何人かきて、志帆を車椅子に乗せる。



すると車椅子から志帆がぎゅっと俺の手を握る。



でも目線は俺じゃなく下を俯いている。



きっと混乱しているんだ。



「弘人君。お願いしていいかな?」



きっと志帆のお母さんも混乱しているのが分かるんだろう。



俺は頷いて志帆と一緒に病室に向かう。