私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?

「えっ、・・・・・・・・・・・ここどこ?」



「病院。お母さんも来てるよ。」



「そっか。・・・・・・・・めぃわく、かけたなー。」



そう言って、顔を動かす志帆。



笑おうとしてるのかな?



・・・・・・・・こん時まで、笑わなくていいのに。



「俺、ずっといたからな?志帆のそばに。」



「うん。・・・・・・・・ありがとう。弘人。」



話しているとコンコンとノックして、志帆のお母さんと医者が入ってくる。



「志帆!!目ぇ覚めたの!?・・・・・・・良かった。」



志帆のお母さんが涙を零した。



「お母さん・・・・・・・ごめんね。」



「いいのよ。」



医者が志帆のそばにきて、喉や手を触って確認する。



「志帆ちゃん?どこか痛いところはある?」



「ううん。」



「そうか。お母さん。私の口から言ってもいいでしょうか。」



「はい。お願いします。」



そう言うと医者はベッドを少し起き上がらせた。



「志帆ちゃん。今年の夏に風邪ひいたって聞いたんだけど。本当かな?」



「え?・・・・・はい。夏風邪って言われました。」



「そうか。その時からずっと、熱が下がっても咳が出たり、喉が痛かったりすることはなかった?」



「・・・・・・・あったかも。でも、風邪だと思ってずっと風邪薬とか偏頭痛の薬飲んでました。」