私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?

すると、志帆のお母さんにTシャツを引っ張られた。



「志帆が目覚めるまで、ここにいてもらっていいかな?」



「はい!分かりました。」



志帆のお母さんが行くと俺は志帆のそばに椅子を持ってきて座る。



真っ白な顔をして寝ている。



腕には点滴が繋がれていて、呼吸も静か。



俺は志帆の手を優しく握った。



志帆。



俺は、ここにいるからな。



「志帆。・・・・・・みんな待ってるよ。だから、帰ってこい。」



そう言うと、志帆の指がピクッと動いた。



俺はびっくりして、志帆に声をかける。



「志帆!!志帆!!気づいたのか!?俺だよ。弘人だよ!!」



俺の声に反応するように手が少しずつ動く志帆。



そして、ゆっくりと志帆の目が開く。



「・・・・・・・・・え?・・・・・・・ど、こ?」



声が掠れているけど、目が空いた。



それだけで、嬉しかった。



俺は志帆の顔のそばまで言って話しかける。



「志帆?・・・・・大丈夫か?」



「・・・・・・ん。・・・・・弘人?」



「うん。そうだよ。」