「なんで嘘ついてたんだよ」
依月は、いつものように私を責めるのではなく、優しくそう言った。
瞳に涙がじわりと滲む。
「い、依月には知られたくなかったの...っ」
ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「なんで...」
「約束したのに、怪我して行けないって、なんて言ったらいいのか分かんなくて...っ。依月は、頑張ってたのに...!」
右手で涙を拭う。
こんな時でも左腕はピクリとも動かない。
「約束、守れなくてごめん.....っ」
ずっと言いたかった。
ずっと謝りたかった。
本当なら去年会って、笑い合ってたはずなのに。
私のせいで出来なかった。
ごめん。
ごめんね。