「.......寝よう」
私はもう一度布団の中に潜り込む。
目を固く瞑って、何も考えないようにした。
「んん...」
鳴り響くスマホのアラームを止めて、私は起き上がる。
ぼーっとする頭を動かして、学校の支度を始めた。
制服を着て荷物を持ち、私はリビングのドアを開けた。
「.....」
私とお母さんを包む、変な緊張感。
私の席に置かれたトーストを口に運ぶ。
「...さ、沙耶香?今日は何時に帰ってくるの?」
お母さんが遠慮気味に私に問いかける。
───────そんなこと、昔は聞かれなかったのに。
「...知らない」
今日は特に予定もない。
だからきっと5時までには家に着くだろう。
でも、5時にはまだ家に帰りたくないと思う自分がいた。


