「今日はもう帰るね。」 そう言って、私は皐月に背を向けた。 「あ、おい、染谷!」 私の左手を、皐月が掴む。 「...なに?」 私は右手で皐月の手を掴み、左手から離した。 「.......明日も来るよな?」 「...うん。」 「じゃあな。.....また明日。」 『明日も絶対来いよ』と念を押すような、皐月の“また明日”。 私は、一言。 ──────ばいばい。 そう言った。