それから2時間くらい練習して、皐月君はビックリするほど上達した。





最初は10本に2本しか入らなかったシュートも、今は10本に9本は入るようになった。





手首や膝の使い方を正しただけでこんなに上達するのだから、依月と同じくらい才能を持っていると思う。





「染谷はやんねぇの?」




「私は出来ないからさ」





私はあはっと笑ってみせた。





「なんで出来ねぇの?」





「あー.....。もう暗いしそろそろ帰るね!」






「は!?え、ちょ、染谷!!」





「今日のことは誰にも言っちゃダメだよー!」





私は皐月に背を向けてそう言った。





後ろから皐月の「わ、わかった...?」っていう声が聞こえた。





本当に分かってるのかな。





なんかすごく心配になってきた。