総体の優勝を決めたのは、桜丘高校二年生にして男子バスケ部のエースとなった、眞鍋依月のスリーポイントシュートだった。











鳴り響くホイッスルとともにネットを揺らしたボールは、二点差で負けていた桜丘に逆転勝利をもたらしたことを知らせてくれる。










表彰式を終え、貰ったリストバンドをお互いの右手に通した二人は、顔を見合わせて笑った。










「ありがとう依月」








キラキラした染谷沙耶香の笑顔は、バスケをやっていた頃と同じくらい──────いや、それ以上に輝いていた。