お母さんの「おかえり」が、今は辛い。







腕が動かなくなる前となにも変わらないのに。






「ごめんねお母さん...」







部屋に吸い込まれる私の声。







「ごめんね依月...」






依月が何かを言いたそうにしてたのは知ってた。






ほんとは気づいてた。






左手からリストバンドを外して、右手で胸の前に持っていく。







胸の前でぎゅっと握りしめて、ベッドに横になった。






依月は私に何を言おうとしたんだろう。






ほんとはみんな私がマネージャーをやることに反対なのかもしれない。






私なんかマネージャーとしてなんの役にも立たない。






私なんか...。






「ってダメダメ。」







ネガティブになったらダメだ。







ポジティブになろう。







──ピロンッ







「ん?...莉花?」







莉花からのメッセージを、ベッドに寝転がったまま開く。







『マネージャーお疲れ様!やっぱり大変?無理せず頑張ってね٩(ˊᗜˋ*)و』







思わず笑みがこぼれる。







「ありがと!大変だよ〜ε=(~Д~;)でも頑張る!」






莉花はいつでも私のことを気にかけてくれる。







ありがとう...。