体育館の中に入ると、モワッとした空気に包まれた。






そして、目の前では部員がゴールなどの準備をしていた。






準備をしているから、恐らく1年だろう。






そんな部員をぼーっと眺める私の腕を依月が掴んだ。






「先生は来てねぇから、とりあえず部長んとこ行こうぜ。」






「...あ、そっか。そうだね。」






そうだった。





こんなところでぼーっとしている時間はない。





まずは先輩方に挨拶しなくちゃ。






依月と私はは男バスの部室の前で一度止まった。






依月がチラリと私を見る。






それに私も頷き、ドアをノックした。






「...失礼します」






そう言って、依月は部室のドアを開けた。






普通の教室と同じくらいの大きさの部室。






きっとそれは、ほかの高校よりも大きいだろう。