「頑張った、っていうのは自分でいう言葉じゃないって知ってるよ。周りから、“頑張ってる”って思われないと、“頑張った”ことにはならないって思ってるよ。でも、でもさ─────」






涙が頬を伝って床に落ちていく。






「頑張れっていつまで頑張ればいいの?頑張れってどこまで頑張ればいいの?


────私だってもう頑張ってるよ...!


バスケがなくなって、生きてるだけで精一杯になった。もうバスケが出来ないんだって思うと、目の前が真っ暗になった。


それでも生きてきたんだよ...っ!」






依月の香りに包まれる。







規則正しく背中を優しく叩く依月。






私はぎゅっと依月の服を握った。