好きの海に溺れそう

「悔しい…」

「あたしたちの方が先輩なので!」



そのとき、俺のスマホが鳴った。



ん?電話?



「もしもし…」

《あっ、霜月くんですか?先日は面接どうもありがとうございました》



あっバイトの!



《それで、結果なのですが、ぜひうちで働いてください!》

「ありがとうございます!」

《細かい説明は、一度店に来てもらいたいんだけど、いつなら時間ある?》

「いつでも大丈夫です!あ、学校があるので17時以降だと助かります」

《じゃあ、明日の17時にお願いします》

「わかりました!ありがとうございます。これからよろしくお願いします」

《はーい、じゃあ待ってます》



電話が切れた。



普通に嬉しい…。



「杏光、バイト採用されたよ」

「おめでとー!」



高校一年生の初夏。



球技大会にバイト、他にもこれからたくさん楽しいことが待ってるんだろうな。



色んな期待を胸に、これからの学校生活に想いを馳せた。