その察しの良すぎる男に、再度目を向けてみる。すると、光一さんは口元を緩めて、くしゃりと笑った。
子犬みたいな無邪気な笑顔。初めて見る表情だった。
「……なんで、そんな嬉しそうな顔するの」
そんな顔されたら……期待しちゃうのに。
「あぁ、そっか。嬉しいのか、俺」
言われて初めて気がついたという顔で、彼はうなずく。
光一さんは急に体を起こしたかと思うと、私の肩を引き寄せた。あっという間に私の体は、彼の胸の中にすっぽりと包まれてしまう。
ドクドクと大きく波打つ鼓動が、彼に聞こえてしまいそう。だけど、鼓動を抑える方法なんて、知らない。制御不能なところは、私の恋心とおんなじだ。
光一さんが私の耳元に唇を寄せる。それだけでぞくりと背筋が震えたことに、彼は気づいているだろうか。
「独占欲とか、嫉妬とかさ、そういうのは面倒だしデメリットでしかないと思ってたんだ」
柔らかな低音がささやく。
「けど、そういう感情に惑わされるのも悪くないかもな。少なくとも、華が俺に独占欲を感じてるのは嬉しい」
光一さんは毒舌で、きついこともズバズバ言ってくる。でも、知らなかった。こんな甘い台詞も、ためらわずに言ってくれるんだ。
「ま、待って。ここでストップ。私、必要以上に期待しちゃうから」
顔も指先までも、全身が発熱しているみたいに熱かった。熱にうかされているみたいで、だから、これはきっと夢なのかもしれない。
「していいんじゃない、期待」
あぁ、やっぱり夢だ。こんな甘い現実があるわけない。
「さっき、華の愛で歪んだ俺を変えてくれるって言ってたじゃん。教えてよ。俺に、恋愛のいいところ」
子犬みたいな無邪気な笑顔。初めて見る表情だった。
「……なんで、そんな嬉しそうな顔するの」
そんな顔されたら……期待しちゃうのに。
「あぁ、そっか。嬉しいのか、俺」
言われて初めて気がついたという顔で、彼はうなずく。
光一さんは急に体を起こしたかと思うと、私の肩を引き寄せた。あっという間に私の体は、彼の胸の中にすっぽりと包まれてしまう。
ドクドクと大きく波打つ鼓動が、彼に聞こえてしまいそう。だけど、鼓動を抑える方法なんて、知らない。制御不能なところは、私の恋心とおんなじだ。
光一さんが私の耳元に唇を寄せる。それだけでぞくりと背筋が震えたことに、彼は気づいているだろうか。
「独占欲とか、嫉妬とかさ、そういうのは面倒だしデメリットでしかないと思ってたんだ」
柔らかな低音がささやく。
「けど、そういう感情に惑わされるのも悪くないかもな。少なくとも、華が俺に独占欲を感じてるのは嬉しい」
光一さんは毒舌で、きついこともズバズバ言ってくる。でも、知らなかった。こんな甘い台詞も、ためらわずに言ってくれるんだ。
「ま、待って。ここでストップ。私、必要以上に期待しちゃうから」
顔も指先までも、全身が発熱しているみたいに熱かった。熱にうかされているみたいで、だから、これはきっと夢なのかもしれない。
「していいんじゃない、期待」
あぁ、やっぱり夢だ。こんな甘い現実があるわけない。
「さっき、華の愛で歪んだ俺を変えてくれるって言ってたじゃん。教えてよ。俺に、恋愛のいいところ」



