その場に背を向けて立ち去る。


こんなことを二年も続けてるから、いつの間にか通り名まで付くようになった。


″ストローム″


前に気絶させ損ねた奴がこぼしたその名に、思わず笑ってしまった。


ストロームか…悪くない。


なんて、私も結構ノリノリだったりして。


そんなことを思いながらフッと口元を緩める。


「さぁーて、次はだれが来るかなぁ????」


血を求めた奴らがうじゃうじゃといる中で、そんなことを言いながら私は今夜も心行くまでケンカを堪能した。


…まさか、こうやって続けてきたケンカが思いもよらないことになるなんて。


この時の私は想像もしなかったんだ…。