春色のletter

気が付くと、夕方の光になっていた。


私は、さっきは逃げた喧噪の方へ足を向けた。


「どうせなら、早めのご飯かな」


私は商店街を抜けて、駅ビルの中のオムレツ屋に入った。


チェーン店だけど、お気に入りのお店。


そこで、レギュラーサイズを頼んだ。


ここは意外と量が多いのに、お昼が少なめだったので、ぺろりと平らげてしまった。


食後の珈琲を飲んでいる時、やっとその店内の喧噪に気が付いた。


それまでは何を考えていたのだろう。


そこにあるものも、気が付かなければ無いのと同じ。


そんなことを考えながら、店を出た。