「夜梨」


そう言って彼は私を手招きした。


「はい、何ですか?」


「今度の事は本当によく頑張ったな」


「いえ、元々私の失敗ですし」


「まあ、それはもう終わったことだ。結果は結果だよ」


「ありがとうございます」


「で」


彼がそこでにこっとした。


「で?」


「たまにはゆっくり休んだらどうだ?」


「は?」


「会社も今度の事は認めている。お盆も含めて2週間の有給だ」


彼はそう言うと背もたれにもたれて大きく手を広げた。


「はあ…」




そんなこんなで、私は長期休暇を取ることになった。




でも、私はこの長期休暇を使って、ハルに会いに行こうと思った。