郵便受けをさっと覗いて、そのまま上に上がろうとしたけど、
「あ…」
春色の手紙が見えた。
「もう?」
ちょっとした驚きと、うれしさに複雑な顔をしながら手紙を手に、私は階段を上った。
こんな時に砂羽さんが顔を出さなくて良かった。
「なんて顔してるんだい?」
「え!?」
その声に驚いたら、砂羽さんとかおりさんがサロンで缶ビールを飲んでいた。
「あちゃ…」
「ふう~ん、その手紙のせいかな?」
かおりさんが、にやぁとしていた。
「どう?飲む?」
そしてそう続けた。
「ううん。せっかくのお誘いだけど、今夜中に仕上げたい仕事があるの」
「あんまり無理するんじゃないよ」
砂羽さんが、新しい缶に手を伸ばしながら言った。
「はあい」
私は舌をぺろっと出すと、そそくさと部屋へ逃げ込んだのだった。


