春色のletter


今日も遅くまで頑張ったけど、まとめきれなかった。


「じゃあ、帰ります」


デスクに座っていた佐伯さんに声をかけた。


「おい、夜梨。少しは説明しろよ」


どうやら私を待っていたらしい。


「まだ、もう少しかかるんで、家でやります」


「あ…っそ…」


佐伯さんはガクッとすると、椅子に少し深めに沈んだ。


それをスルーして帰りかけたけど、立ち止まると彼の方を見た。


「どうした?」


「佐伯さん、帰らないんですか?」


「ははは、おまえが帰るなら俺も帰るさ」


彼は乾いた笑いを返した。