春色のletter

「私、四女でしょ。上の3人の姉がそれぞれ頑張ってますから」


「みんな諏訪山ワインで?」


「ええ。一番上は既に専務。二番目は営業部長。三番目は秘書室長をやってます」


「へえ…」


「それに比べて、私はまだ受付嬢ですから」


「その受付嬢に私はこれだけ動かされたんですよ?」


「あは、そういえばそうですね」


少し間があった後、二人で声を出して笑った。


「竹村さんも凄い人ですね」


「夜梨子でいいよ。何が?」


「もっとお高くとまっている会社かと思いましたけど、これだけ親身にやってもらえるとは思ってませんでした」


彼女が少し真面目な顔で言った。


「まあ、他のセクションではそんな感じのところもあるけど、うちのセクションはみんなこんな感じよ」


そう言って、つい佐伯さんの顔を思い浮かべたら吹き出しかけた。


「そんな人に担当してもらって良かったです」


「最初は失敗したけどね…」


「そうですね…」


そこでまた二人で吹きだした。


そんな感じで、話が尽きず、寝付いたのはほとんど明け方だった。


翌日は9時頃まで寝させてもらったが、遅めの朝食をいただくと、駅まで本田さんと実久さんに送ってもらった。


実久さんは今夜も泊まるらしい。


二人に深い感謝とお礼を述べて、私は東京へ戻った。