春色のletter

そこは売店、レストランも併設された煉瓦造りの建物だった。


建物自体は新しいのだろうけど、わざと歴史を感じさせるように造られていた。


入り口らしきところには、ワイナリーによくある半円形をした大きな木のドアがあったが、それはフェイクで、その両側に自動ドアの出入口があった。


左が入口で、右が出口専用のようだ。


自動ドアの動きに導かれて中に入ると、すぐ目の前に受付があった。


「いらっしゃいませ。竹村様でしょうか?」


「あ、はい」


「本田はもうすぐ参りますので、どうぞそちらのソファでお待ちください」


私は促されるまま、ちょっとしたロビーにある濃い葡萄色のファブリックのソファに腰掛けた。


室内は、壁が淡く、モノが濃い葡萄色を基調とした色彩で統一されていた。


右手の方が売店で、ワインの試飲もできるようだ。


まっすぐ行ったところにある螺旋状の階段で上った2階がレストランみたいだった。