春色のletter


「あ、うちの会社の新しいロゴとか考えてくれるんですよね?」


「あ、はい、そうです」


どうやら、こんな末端の社員ですら知っていることらしい。


「うちのイメージはあの白樺です。後で見て行ってくださいね」


彼がまた上半身を乗り出し、今度は工場の方を指さした。


その先にロータリーがあり、その中央に大きな1本の白樺が植えられていた。


(ワイナリーで、なぜ白樺?)


「ああ、あの木の事も、工場長にお聞きになってください」


私の表情を見て、彼が付け加えた。


「はい、わかりました」


私は頭を下げると、茶色い建物に向かった。