ハルからの手紙が途絶えて、もう1ヶ月。


私は自分を失いかけていた。




「夜梨…なんでここにいるんだ?」


出掛けていた佐伯さんが戻って来るなり言った。


「え?」


「諏訪山ワインの打ち合わせはどうした?」


「あ!!」


慌てて時計を見た。



「こ、こんな時間…」


「急いで行ってこい。しっかり謝れ」


「はい!」


私は荷物を鞄に詰め込むと飛び出した。




(何をやってるんだ私…)