「あの日、俺は頼子とお使いに行っていたんだ。そして、帰りがけに、俺が言ったんだ……『家まで競争しよう』って」 佐伯さんは、少し顔を上げた。 「俺は、頼子を喜ばせようと、わざと抜かさせた。…そうしたら、頼子は喜んで、そのまま横断歩道を渡ろうとして、目の前で車にはねられた……くの字に曲がった頼子がそのまま、あっという間に俺の視界から消えた…」 「!!」 その映像が浮かんで思わず口を押さえた。