「でも、亡くなったって…」 「ああ…」 「…なんで?」 その瞬間、佐伯さんの表情を見て、しまったと思った。 「あ、やっぱりいいです」 佐伯さんの方を向いて両手を振った。 佐伯さんは、私を見たけど、また手摺りの腕に顎を載せた。 「まあ、聞いてくれや」 私は振っていた手をゆっくり止めた。 佐伯さんは、それに合わせるように話し始めた。