春色のletter

ぼーっと3人で手術室の前の廊下のベンチに座り、出てくる美沙ちゃんを待っていた。


佐伯さんがポケットに手を入れた。


電源の入ってない携帯をしばらく見つめると、


「悪い、ちょっと」


彼はそう言いながら廊下の向こうに歩いて行った。


私はそれを視線だけで見送ると、手術室のドアを見つめた。


「美沙ちゃん、しばらくサトシ君に会えないんですね」


「え?だれ?」


沙也さんが軽い笑顔のままこっちを見た。


「えっと、サトシ君ですけど…」


「サトシ?誰?お友達にはいないけど?」


「幼稚園の、ですよ?」


そう言った瞬間、沙也さんがハッとした。