春色のletter


彼が連れて行ってくれたのは、地鶏のお店だった。


香ばしそうな炭火焼きの匂いが私たちを誘った。


テーブル席に座ると、鉢巻きをした若いお兄さんが、すばやくおしぼりを出してくれた。


園田さんが手を拭きながら私たちを見た。


「ここはね、地鶏の…」


「おじさん!地鶏の焼き串12本!」


「それに地鶏のタタキ3人前!」


「そうそう、それがお勧めで…」


「あと、地鶏の雑炊、えっと園田さんはいります?まだいらない?じゃあ、2人前!」


「それに生3つね!」


「あ、じゃあ、俺はもういいです…」


「はいよ!!」


カウンターの向こうの鉢巻きを巻いた威勢のいいおじさんが、てきぱきと動きながら返事をした。