春色のletter

「わお、そうなんですか?世の中狭いですね~」


「で、何で彼と?」


私は話題を戻した。


「えっと、下北のタウン誌で紹介された時、ハルさんも一緒に紹介されたんですよ。その時にちょっと」


(そっか、あの時はハルのことで一杯だったけど、あの号には淳さんも…)


「彼、どんな感じだった?」


「あれ?最近は会ってないんですか?」


「うん。もう、かれこれ10年かな?」


「10年?」


「あ、そ、そう言えば彼がどこにいるのか知ってる?」


彼女がその年数に違和感を感じて指を折り始めたので、私はあわてて話題を変えた。


「え?ハルさんは下北に住んでますよ?」


やはり彼女もその程度のことしか知らないようだ。