「夜梨~、ずるい~!」


目の前で絵里がお尻を振りながら口をとがらせていた。


「えへへへ~」


私は福岡造形大学の推薦合格通知を手に、渡り廊下の手摺りに寄りかかっていた。


「私なんて3月まで試験勉強だっていうのに、夜梨、まだ1月で合格ってずるい~!」


「まあまあ、キミは普通の大学だから仕方ないねえ」


「いくら私立だって言ったって、合格早すぎでしょ?」


「いいじゃないの。残りの高校生活は有意義に過ごさせてもらうから」


「ぶうぅ~!」