廊下にはオレンジ色の光が斜めに差し込んできた。 私たちはその雰囲気に一瞬気を取られた。 帰宅部だった私たちには縁がなかった風景。 絵里と顔を見合わせた。 二人で笑みを零すと、その雰囲気の良さに、しばらくその場に佇んでいた。 そして帰りはさっきのことを適当にごまかしてると、絵里がサックスの教本に集中し始めたので助かった。