春色のletter


「で、夜梨の方はどうだった?」


「え?ああ…」


「ん?どうしたの?」


私の煮え切らない感じに、絵里が真面目な表情をした。


「今日はちょっとやめた」


私は目を反らして答えた。


「なんで?」


「まあ、いろいろ。さ、帰ろっか!」


私は鞄を持つと、返事を待たずに立って、そのまま廊下へ出た。


「あ、待ってよぉ」


絵里はぺたぺたと上履きの音をさせながら付いてきた。