春色のletter


何を描いているのだろう。


こっちから見るとほとんど真っ白に見えるということは、鉛筆で下書きなんだろうか。


そんなことを考えている時、奥の方の階段から誰かが上がってくる音が聞こえた。


私は足音に気をつけて、逃げるように、今来た階段をそのまま下りてしまった。


2階へ戻ると、少しほっとした。


そう思った自分に対して、


「ばかみたい…」


そうつぶやいた。


「自分がやりたいことだってば」


階段を振り返ったけど、今日は行くのをやめた。