キミが可愛いわけがない



これだから、できるだけ芽郁とは学校で関わりたくないのに。



モテる芽郁と一緒に話してるだけで、女子からは痛い視線をいただく。



私以外の女子と関わらない芽郁も悪いけど…でも芽郁の昔からの性格上、簡単に友達を作るのが無理だって言うのはわかる。



だけどもう高校2年生だし…。



さっきのあの女子たちへの目つきとか…完全に近づくなオーラ放ってたし。


芽郁は、女の子っぽい自分の名前がすごくコンプレックスなのだけど、男の子では珍しいその名前を女子たちはわざわざ呼びたがって、下の名前で彼を呼ぶ。



芽郁はそれもすごく気にくわないらしい。


「ねぇ、芽郁くんって昔からあんなクールな感じなの?」


りんながオレンジジュースを飲んでそう聞く。


「んーもともと人前では大人しかったけど、もっと可愛かったかな」


泣き虫だったとか弱虫だったなんて言おうもんなら、絶対芽郁に怒られるから黙っておく。



「へ〜小学生の芽郁くんとか見て見たいかも!」


「殺されるから絶対見せられない」



私がそう言うと、2人は「え〜」と残念そうにした。