「…気付いたのは1週間前くらいから。河西さんと有馬くんが…あ、あの2人この間の席替えで隣同士になったのね、それからよく話してるみたいで…」
は?なんだその話。
初耳だぞ。
何が、『男とは話さない』だよ。
俺とは話したくなくて、有馬とかいう金髪とは話すのかよ。
「私が有馬くんを目で追っかけてると、有馬くんの先にはいつも河西さんがいて…河西さんがいると、必ずどこかに楠木くんもいるから。それで、わかったよ」
「ふーん」
話を聞いてる限り、俺も若松も飛んだストーカー野郎じゃないか。
「お前あいつに告んねーの?」
俺は若干潰れたメロンパンを再び口に入れながら聞く。
男子から人気がある若松が告白したらあのチャラ男絶対OKするに決まってるだろ。
「今告白したら絶対振られるもん」
意外な答えに驚く。
「はぁ?なんで?」
「……なんでって…」
若松はため息交じりで呆れたようにそういう。



