「仕方ないじゃん。ママが無理やり。本当は布施くんだけ…」
「布施?」
「あぁ、1年生の男の子。クラスの子にいじめられてるの見て、ほっとけなくて…だからちょっと手伝った」
「ふーん」
は?自分から聞いといて何よその反応!
「ふーんって…」
「好きなの。そいつのこと」
「は?何いきなり。そんなわけないじゃん。布施くんはただの後輩」
「そいつはユズのこと、ただの先輩だって思ってねぇーかも」
「どういう意味?またゴリラの先輩とかいうんでしょ?そういうのもういいよ。わかってっし」
前は平気だったのに。
むしろ楽だったのに。
今は、芽郁にバカにされるのが嫌だ。
芽郁が私を女としてみていないって痛感させられるのが、嫌だと思っている。