「はーい。次は柚希の番よ〜」
「は?」
「突っ立ってないで早く」
「いや、私制服で行くし!」
「はい?何言ってんの!こんなイケメンさんの隣を普段の柚希で歩くつもり?みっともない」
いや、みっともないって実の娘やぞ。
「いいよ!私はいい!布施くんだけお願いって頼んだじゃん!」
「いいから!時間ないから急ぐ!ほら座る!」
「そうですよ!柚希先輩もおめかししてください!僕も頑張ったんですから!」
いや、布施くんまで…。
結局、なぜか私までドレスコードで行くことになり、私は渋々、姿見の前の椅子に腰を下ろす。
なによこれ…。
私みたいな、性別間違えて生まれてきたみたいな人はこんなメイクとか似合わないんだもん。
ずっと触れてこなかったもの。
やったって、芽郁に絶対似合わないとか言われちゃうし。
って、、、また私、芽郁のこと考えて…。



