「だから、今はなんていうか、柚希が俺のものにならなくても、柚希の笑った顔が見られるならいいかなってさ」


「……」


「あぁ、やっぱりそれはちょっと嘘かな」


「嘘かよ…」


「本当は…」


─────ギュッ


っ?!


突然、有馬が私の右手を握った。


「ちょっと、」


「隙あれば、ずっと手ェ繋ぎたいとか思ってるし、柚希の顔見るたびに、もっと一緒にいたいって思ってる」


「そ、そんな恥ずかしいことよく平気で言えるわね!」


「俺の好きは、そんな恥ずかしいこと平気で言えちゃうくらいの、好きだよ」


っ!!


顔が熱くなる。


なによこれ。


いつもの有馬と違くて。


変だ。