公園の移動式カフェで飲み物を買って、私たちはベンチに座る。
正直、早く帰りたいという気持ちはなかった。
ちゃんとまぁまぁ楽しかったし。
「今日は一日、ありがとうございました」
「なにそれキモチワルッ」
突然敬語になる有馬にそう突っ込む。
「ちょ、キモチワルはないだろ。これでもすげぇ感謝してるつもりだし」
「んーでも1つ納得いかない」
「なに」
「今日の私の分のお金!やっぱり全部払う!」
「バッ!やめろよ!」
ちょ、有馬今、バカっていいかけたろ。
彼は、カバンから財布を取り出そうとした私の手を慌てて止める。
「俺のわがままで連れてきたんだから、いいの!つーかまじ女子に払わすとかなんだよ!カッコつけさせろ」
「はー?なんだそれ」
「いいじゃん別に。俺ルールだから」
少しムキになった有馬はなんだか新鮮だ。
こんな顔もするんだ、なんて。



