自分の子供が元気ないって話を、こんなに楽しそうに話すか?普通。


「そう…なんですか…」


「やっぱ、芽郁くんさぁ」


ボソッと小さく相槌を打った俺の声をわざとらしく遮ってそういったおばさんは、ぐっと顔を近づけてきた。


なんだなんだなんだ。



「私の娘に、なんかしたよね?」


っ!?


俺は、パチパチとゆっくり瞬きをして目の前のおばさんの目をじっと見る。


やばい。


おばさんにまでバレている?


もしかして、ユズが話した?俺に襲われたとか、俺に無理やり…とか?!


「あ、えっと…すいませんっ!でしたっ!」


俺は、ガッと椅子を引いて立ち上がると深く頭を下げた。


俺を叱るために、おばさんは俺を家に呼んだんだろう。

もう、2度とユズには関わるなと言われてもおかしくない。


きっと、ユズの両親は、俺のことは信用していたはずだから。こっちの信頼関係まで壊してしまったらもう出遅れだ。