若松のことも怒らせちゃったし。

本当、俺って昔からダメなやつだ。


勉強ができたって、他人を思いやる気持ちがなかったら、人としてなんの意味もない。


情けない。


自分の行動の積み重ねが、今自分を苦しめて。ざまぁみろだよな。


「はぁ…」


外に聞こえちゃうんじゃないかと思うくらいでかいため息を吐いてから、ゆっくり服を着替える。



─────ピロン


机に置いていたスマホが鳴りだした。



「─────なんだ」


声に出ちゃうんだから、相当テンション下がってる。


画面には『母さん』の文字。


一瞬、寂しさ限界になったユズからメッセージが来たかも?なんてバカみたいな期待をした。


『今日、休日出勤だから、お昼は自分で用意してね。テーブルにお金置いてるから』


はぁ……。


俺は、スタンプだけで返事をしてから、着替えたズボンのポケットに携帯を入れて部屋を出た。