「あ!ねぇねぇねぇ!」
っ?!
ユズと有馬の席から少し目を離した途端、突然頭上から声が降ってきた。
「……」
嘘だろ…。
クリクリした目を広げてこちらを見つめているのは、俺の大嫌いな男だった。
俺がここでずっとユズを見つめてるのは、こいつにはバレてるはずだし、もっと言えばバーベキューですれ違った時に俺の気持ち自体、こいつに気づかれてそうだ。
「誰」
ぶっきらぼうに目を合わせずにそう聞く。
「うわ〜ほんとだ〜。全然愛想ないのな〜」
有馬はなんだか楽しそうにそういうとそのまま俺の前の席に座り始めた。
いやいやいや、意味がわからない。
なんで有馬が突然俺に話しかけてくんだよ。
「ほんとだ、ってなんだよ」
頬杖をついたまま敵意むき出しで聞く。