キミが可愛いわけがない



「緊急事態って…そんな時こそ友達作るチャンスだったじゃん!お金貸してってクラスの友達としゃべるチャンス!」


「吐き気するほどのバカだな」


っ!!


「あー!?」


「初めて声かけてきたやつの第一声が金貸せろって、二度と近づきたくねーよそんなやつに」


「…それは…って言うかそもそもお金持ってきてない芽郁が悪いんじゃん!」


「あーも、耳の横でしゃべんないでくれるー?鼓膜破れる」


芽郁はうざそうに耳を手で塞いでそう言った。


このクソヘタレ野郎が!!


「もう知らないっ!一生友達も出来ずに孤独死するがいいさ!」


「友達できないのと将来1人で暮らすかどうかは別だ」


「はぁー?!友達できないやつがなんで赤の他人と同じ屋根の下を共にできんのよー!芽郁のバカ!」


「バカにバカって言われたくねーバカ」


「バカにバカって言う方がバカなんですー!」


「自分がバカって認めるところ本当バカだな」


小学校低学年のような言い合いを今日もいつものように交わす。


これが私たちのコミュニケーションの取り方だ。