そうだ、鏡は異世界に通じているらしいよ

そして日もとっぷりと暮れ。

「結月様、見てください」

あの城の屋根に匹敵するほどの高さのタワーに、入鹿くんと2人で上った。

私のいた世界とは全く違う、不思議な夜景が広がっている。

金色の光が、あちらこちらでふわふわと揺れていた。

「綺麗」

自然にそう呟いた。

「結月様」

途端に入鹿くんが笑顔を消す。



「貴女を害なす者は許さない」