「白、ここの問題がわからないの。教えて。」
私は白の部屋をノックして彼がドアを開けてくれるのを待った。
(珍しい。眼鏡だ。)
私は少し驚いた。彼は眼鏡姿だ。黒のVネックにジーパン。髪は結ばれていた。
「えっと、どこが分からないの?」
私は彼が問題集を覗こうとした瞬間中を覗こうとする。しかし部屋の中は暗くて中を見ることはできない。
「?どうかしたの。」
「いや、えーと。立っていると疲れるなって…。」
「そう。じゃあ猫の部屋に行こうか。」
「えっ、なんで!?」
「なんでって…猫が慣れた環境で勉強することが一番効率いいし。」
私はまさかそうくるとは思っていなかったので何か言い訳をつくる。
(…何も思いつかない。)
私は自身の知識に嘆きそうになるも彼にお願いすることにしてみる。
「…私は白の部屋で勉強したい。」
私はきっぱりとそういった。白は何処か固まっていた。眼鏡が光で反射してて彼の目を見ることはできなかったがかなり困惑しているようだ。
(も、もしや…!よくある漫画的展開とか!?)
私は白の部屋を想像した。ベットの下か、引き出しの中か、はたまた本棚の奥にあるのか。私は少し唾を飲んだ。
「えっと…駄目?」
「駄目です。」
「なんで?」
「非効率です。」
「でも、私は白の部屋で勉強したい。」
「却下です。猫の部屋でなければ勉強を教えません。」
私達の会話は平行線だった。
(力技で行くにも今の時点で白は相当警戒している。そんなことはできない。)
白はため息をつきながら私を見下ろす。
「いくら幼なじみでも男の部屋に行くのは関心しません。わかってますか?」
「わかってる。けど白は幼なじみだから。私は…」
白は壁に手をついていた。とても真顔になっている。
「…わかりました。猫、この部屋に入ったら…。」
「入ったら?」
「キスをします。」
「白、勉強は効率さを考えよう。」
私は白の発言に即答で返した。白の部屋に入ってプライベートを知ろうとするのはやめておこう。
「まずここの答えをアルファとして…。」
私は白と二十分ほど勉強した。頭は相当疲れていたらしく私は少しうとうとしていた。
「…猫、どうした?眠いのか?」
「…だいじょぶ。まだできる。」
「あほか。無理してるのはわかってる。ちょっと休憩しよう。」
白はあらかじめ淹れておいた紅茶を私にわたしてきた。私はそれを受け取りこくんと飲む。白はコーヒを飲んでいた。白は大体コーヒーだ。
「白、コーヒーばかり飲んでたら眠れないよ?」
「…。そうだね…。」
白は答えに少し躊躇いがあった。私は少し首を傾げたがいつも通りな気もして言葉を続ける。
「白はなんで私の趣味知ってたの?」
前からの疑問を口にした。私は細心の注意をしていたはずなのだ。
「…幼なじみの勘かな?」
「…勘であのノートもばれるとは思ってなかったけど…。」
私が中学生の時妄想でかいたノートは簡単にばれるものではないはずだった。
「不公平だから白も私に何か秘密を教えなさい。」
私は白を見て言った。
「やだ。」
「別にエッチな本とかビデオとかゲームでも笑ったりしないから。」
白は私を見て少しため息ををついた。
「俺はそんなん持ってない。…どうして急にそんなことを聞くんだ?」
「白は幼なじみだから。なのに白の趣味とか知らないし。」
「…幼なじみだから…?」
私は頷く。白は眉間に皺を寄せていた。
「俺の趣味は猫いじり。そして家事。」
「趣味だったの…?ていうか家事が趣味って違うよね!?」
「当たり前じゃん。」
(またはぐらかした!)
「…じゃあエッチな本とか、読むの?」
「だから読まないって。」
「なんで?」
私はカップをソーサラーの上に置いた。彼は意図がわからないみたいだった。私は今の白について何も知らない。私の知っている白は泣き虫な白でこんな男の人というかんじではなかった。
(私が知らない間に変わったのかな。もしかして彼女が白をそう変化させたのだろうか。)
白はキスも手馴れているようだった。まるでよく知っています、というように。白のさっきの返答は嘘をついていないのがよくわかる。私の返答に嘘をつく時彼の指は健気にも少し反応するのだ。
ズキッ
(ああ、また胸が痛い。)
置いていかれる悲しみだろうか。幼なじみがこんなに近い距離にいるのに心が遠く感じる。
「…白は彼女でもいたの?」
「…は?」
私の唇は震える。勇気を出して言ってみるもののその先の言葉を続けたくはない。できるなら彼を部屋から追い出したい。いや、いうべきではなかった。私が胸の中にしまいこんでペットなりなんなり幼なじみとして何も知らないままでいればいいことなのだ。そうすれば白と私は笑っていられる。
(もう、後には引けないけど…。)
「白は彼女、いなかったの?」
「だから、なんで?」
白もコーヒーを置いた。
「…冗談でしてきたキス。手馴れた感じだったから。」
二人の間に重い沈黙がのしかかる。白の顔を見ることができない。私は自分の手を見ていた。
「……。確かに、キスは初めてじゃない。」
「…。」
私はその言葉を聞いてショックを受けた。望んでいない返事だったから。
「でも、彼女じゃない。」
「…じゃあ、彼女じゃない人とキスをしたの?」
私は震える声を必死に隠そうとする。白は否定もせずにそのまま黙り込む。
「…やめてよ。冗談でも黙ってるなんて。」
なんでこんな話になったんだろう。私はただ白のことを知りたかっただけなのに。
「したよ。好きじゃなくても…。けど…。」
「じゃあ、白は女なら誰でもいいんだ。」
私はそう言葉にしていた。いうつもりもなかった一言が溢れると私の心は暴走を始めた。
「白は誰でもいいんでしょ!?近くにいる女なら都合が良かっただけなんだ!弱みでも握れたらいう通りにできるから…!?」
「違う。そうじゃない。」
「白は何で自分のことを話してくれないの!どうして今まで嘘をついてたの!!」
口から次々と本音が出てくる。私の目から涙が落ちてくる。どうしようもない感情が止まらない。
「猫。」
私は言葉を止める。彼の一言は沢山の気持ちが込められていた。
(ずるい…。)
今そんな声で名前を呼ばれたら何も言えなくなる。私は口を閉じた。涙は止まらない。
「今は話せないんだ。」
その言葉は彼を暗い顔にさせた。それ以上問い詰めることもできない。
(白はずるい。)
私がその顔に弱いのを彼は知らない。彼は確かにいつも笑顔でいた。私が怪我をして気にしていないのに、彼の顔は 自分が怪我をした時よりも辛いものだった。私はその顔を見るたびに何も言えなくなる。
「…突然、ごめん。私は白のことが知りたかっただけ…だから。」
「いいよ。猫に興味を持たれるのは嬉しいし。けど趣味はないから。何も言えないんだ。」
「…ない?」
「趣味と言えるものはね。ただの日課をこなすことが趣味に入るものかはわからない。けど家事とかがそれに一番近いだけだから。」
白は笑っている。私は泣くのがいつの間にか止まっていた。白は頭を撫でてくれていたからだ。
「白の好きなものは?」
「秘密。」
「好きな食べ物ぐらい教えてよ。」
「…んー。ガトーショコラとかコーヒーとか?」
「…苦いものばかりだね。」
「なんか慣れちゃったんだよ。舌が。」
「…正反対だ。好みが。」
私は笑っていた。白の頭を撫でる手が優しくて心地よかったから。私はまたうとうとし始める。
「…おやすみ。猫。」
私は夢見心地な気持ちで理解した。白が肩を貸してくれている。とても心地がいい。
(あたたかい。)
私はそのまま意識を手放した。
私は白の部屋をノックして彼がドアを開けてくれるのを待った。
(珍しい。眼鏡だ。)
私は少し驚いた。彼は眼鏡姿だ。黒のVネックにジーパン。髪は結ばれていた。
「えっと、どこが分からないの?」
私は彼が問題集を覗こうとした瞬間中を覗こうとする。しかし部屋の中は暗くて中を見ることはできない。
「?どうかしたの。」
「いや、えーと。立っていると疲れるなって…。」
「そう。じゃあ猫の部屋に行こうか。」
「えっ、なんで!?」
「なんでって…猫が慣れた環境で勉強することが一番効率いいし。」
私はまさかそうくるとは思っていなかったので何か言い訳をつくる。
(…何も思いつかない。)
私は自身の知識に嘆きそうになるも彼にお願いすることにしてみる。
「…私は白の部屋で勉強したい。」
私はきっぱりとそういった。白は何処か固まっていた。眼鏡が光で反射してて彼の目を見ることはできなかったがかなり困惑しているようだ。
(も、もしや…!よくある漫画的展開とか!?)
私は白の部屋を想像した。ベットの下か、引き出しの中か、はたまた本棚の奥にあるのか。私は少し唾を飲んだ。
「えっと…駄目?」
「駄目です。」
「なんで?」
「非効率です。」
「でも、私は白の部屋で勉強したい。」
「却下です。猫の部屋でなければ勉強を教えません。」
私達の会話は平行線だった。
(力技で行くにも今の時点で白は相当警戒している。そんなことはできない。)
白はため息をつきながら私を見下ろす。
「いくら幼なじみでも男の部屋に行くのは関心しません。わかってますか?」
「わかってる。けど白は幼なじみだから。私は…」
白は壁に手をついていた。とても真顔になっている。
「…わかりました。猫、この部屋に入ったら…。」
「入ったら?」
「キスをします。」
「白、勉強は効率さを考えよう。」
私は白の発言に即答で返した。白の部屋に入ってプライベートを知ろうとするのはやめておこう。
「まずここの答えをアルファとして…。」
私は白と二十分ほど勉強した。頭は相当疲れていたらしく私は少しうとうとしていた。
「…猫、どうした?眠いのか?」
「…だいじょぶ。まだできる。」
「あほか。無理してるのはわかってる。ちょっと休憩しよう。」
白はあらかじめ淹れておいた紅茶を私にわたしてきた。私はそれを受け取りこくんと飲む。白はコーヒを飲んでいた。白は大体コーヒーだ。
「白、コーヒーばかり飲んでたら眠れないよ?」
「…。そうだね…。」
白は答えに少し躊躇いがあった。私は少し首を傾げたがいつも通りな気もして言葉を続ける。
「白はなんで私の趣味知ってたの?」
前からの疑問を口にした。私は細心の注意をしていたはずなのだ。
「…幼なじみの勘かな?」
「…勘であのノートもばれるとは思ってなかったけど…。」
私が中学生の時妄想でかいたノートは簡単にばれるものではないはずだった。
「不公平だから白も私に何か秘密を教えなさい。」
私は白を見て言った。
「やだ。」
「別にエッチな本とかビデオとかゲームでも笑ったりしないから。」
白は私を見て少しため息ををついた。
「俺はそんなん持ってない。…どうして急にそんなことを聞くんだ?」
「白は幼なじみだから。なのに白の趣味とか知らないし。」
「…幼なじみだから…?」
私は頷く。白は眉間に皺を寄せていた。
「俺の趣味は猫いじり。そして家事。」
「趣味だったの…?ていうか家事が趣味って違うよね!?」
「当たり前じゃん。」
(またはぐらかした!)
「…じゃあエッチな本とか、読むの?」
「だから読まないって。」
「なんで?」
私はカップをソーサラーの上に置いた。彼は意図がわからないみたいだった。私は今の白について何も知らない。私の知っている白は泣き虫な白でこんな男の人というかんじではなかった。
(私が知らない間に変わったのかな。もしかして彼女が白をそう変化させたのだろうか。)
白はキスも手馴れているようだった。まるでよく知っています、というように。白のさっきの返答は嘘をついていないのがよくわかる。私の返答に嘘をつく時彼の指は健気にも少し反応するのだ。
ズキッ
(ああ、また胸が痛い。)
置いていかれる悲しみだろうか。幼なじみがこんなに近い距離にいるのに心が遠く感じる。
「…白は彼女でもいたの?」
「…は?」
私の唇は震える。勇気を出して言ってみるもののその先の言葉を続けたくはない。できるなら彼を部屋から追い出したい。いや、いうべきではなかった。私が胸の中にしまいこんでペットなりなんなり幼なじみとして何も知らないままでいればいいことなのだ。そうすれば白と私は笑っていられる。
(もう、後には引けないけど…。)
「白は彼女、いなかったの?」
「だから、なんで?」
白もコーヒーを置いた。
「…冗談でしてきたキス。手馴れた感じだったから。」
二人の間に重い沈黙がのしかかる。白の顔を見ることができない。私は自分の手を見ていた。
「……。確かに、キスは初めてじゃない。」
「…。」
私はその言葉を聞いてショックを受けた。望んでいない返事だったから。
「でも、彼女じゃない。」
「…じゃあ、彼女じゃない人とキスをしたの?」
私は震える声を必死に隠そうとする。白は否定もせずにそのまま黙り込む。
「…やめてよ。冗談でも黙ってるなんて。」
なんでこんな話になったんだろう。私はただ白のことを知りたかっただけなのに。
「したよ。好きじゃなくても…。けど…。」
「じゃあ、白は女なら誰でもいいんだ。」
私はそう言葉にしていた。いうつもりもなかった一言が溢れると私の心は暴走を始めた。
「白は誰でもいいんでしょ!?近くにいる女なら都合が良かっただけなんだ!弱みでも握れたらいう通りにできるから…!?」
「違う。そうじゃない。」
「白は何で自分のことを話してくれないの!どうして今まで嘘をついてたの!!」
口から次々と本音が出てくる。私の目から涙が落ちてくる。どうしようもない感情が止まらない。
「猫。」
私は言葉を止める。彼の一言は沢山の気持ちが込められていた。
(ずるい…。)
今そんな声で名前を呼ばれたら何も言えなくなる。私は口を閉じた。涙は止まらない。
「今は話せないんだ。」
その言葉は彼を暗い顔にさせた。それ以上問い詰めることもできない。
(白はずるい。)
私がその顔に弱いのを彼は知らない。彼は確かにいつも笑顔でいた。私が怪我をして気にしていないのに、彼の顔は 自分が怪我をした時よりも辛いものだった。私はその顔を見るたびに何も言えなくなる。
「…突然、ごめん。私は白のことが知りたかっただけ…だから。」
「いいよ。猫に興味を持たれるのは嬉しいし。けど趣味はないから。何も言えないんだ。」
「…ない?」
「趣味と言えるものはね。ただの日課をこなすことが趣味に入るものかはわからない。けど家事とかがそれに一番近いだけだから。」
白は笑っている。私は泣くのがいつの間にか止まっていた。白は頭を撫でてくれていたからだ。
「白の好きなものは?」
「秘密。」
「好きな食べ物ぐらい教えてよ。」
「…んー。ガトーショコラとかコーヒーとか?」
「…苦いものばかりだね。」
「なんか慣れちゃったんだよ。舌が。」
「…正反対だ。好みが。」
私は笑っていた。白の頭を撫でる手が優しくて心地よかったから。私はまたうとうとし始める。
「…おやすみ。猫。」
私は夢見心地な気持ちで理解した。白が肩を貸してくれている。とても心地がいい。
(あたたかい。)
私はそのまま意識を手放した。

