お腹が減っている…。私は鳴るお腹の音に意識を浮上させることになった。
(…そういえば昨日はご飯を食べたけど二食しかなかったな。)
その後、泣き疲れた私は部屋に隠しておいたスナック菓子をやけ食いした。泣いていたせいかまた頭が痛くなったので寝ることにしたのだ。普段ならこんなことはしない。けれど昨日は昨日でそれほど衝撃的すぎたのだった。
(……まさか、学校で白王子と呼ばれるあいつが俺様な男…黒王子だったとは…)
私はうまいことを言ったものだと自負してみるが笑えなかった。私は頭を抑えながら起き上がろうとする。けれど起き上がれない。
「……は?」
私は回らない思考回路で目を開けてみようとする。そこにいたのはー、
「白!?」
「…ああ。起きたのか。相変わらずはえーな。俺は朝は苦手なのに…。」
彼は欠伸をした。
「は、何を言っているの?いつも私より早く起きてるじゃ…というか、何故この部屋に?!」
彼は笑いながら鍵を見せてくる。
「合鍵。市子さんがくれたんだ。何かあった時のためにって。」
「何かあった後だよ…白と!というか、部屋に勝手に入ってこないで!」
「なんで?幼なじみだし、問題ないよね?お互いになんでも知ってるし。」
「よくない!それに秘密ぐらいあるだろ!」
(第一、私は秘密…乙女ゲームをしているんだ!それを知られたくはない!)
もしお母さん達に見つかったら憐れみの目に苛まれることだろう。
「秘密?俺はなんでも知ってるけど?例えば、引き出しの三番目にある参考書の下にあるものとか。」
「なっ……!?」
そこにはゲーム機が入っている。彼はほくそ笑み、さらに続ける。
「好きなキャラクターは西野だっけ?山口に少し設定が似てるな。あ、そういえば秘密といえば中学三年ぐらいの時に猫はちょっとえっちな…」
「きゃーーー!!?」
(何故知ってる!!)
「まあ別に。俺の気にすることじゃないけど。…俺に隠し事が出来ると思ってんの?」
彼は肘をついて私の顔を見つめてくる。
「…お願い。そのことは誰にも言わないで!!」
(もし彼の口から出たものなら私は二度と日向で歩くことは出来ないだろう。学校でのあだ名はむっつりスケベな猫さんとなり、さらに遠巻きに扱われていくことになる可能性がある。)
「んじゃ、俺のペットになれよ。」
「……は?」
私は思っていたものと違う答えを聞いて自身の耳を疑う。耳鼻科に行こうかと一瞬思ってしまった。
「聞こえなかった?俺のペットになれ。YESかNO。30秒以内に答えろ。」
(性格とかあまりにも違いすぎる!!?というか、もう豹変しすきだろ!!)
私は彼の得意げな顔を睨みつける。それでも彼はびくともせずに淡々と数を数える。私は悩んだ。けれど最良の手はでてこない。彼はだんだんとスピードを早める。私は息を吐き捨てるように叫んだ。
「い、YES…!」
私は昨日の今日でゲームでできなかった選択肢を述べていた。
「決まり。猫は今日から俺のペット。俺のお願いはなんでも聞くこと。あと、この性格は秘密。わかった?」
彼はそう言いながら私の椅子に腰掛ける。彼の手にあるスマホは録音画面になっていた。証言をとりましたと言わんばかりにスマホをみせてくる。…こうして、私は白…もとい、黒王子のペットになった。
「おはよう。二人とも。…どうしたの?その顔…。」
「…気にしないで。」
私はテンションが低かった。彼のせいだが。席に着くといつも通りお父さんがいた。
「おはよう。猫は今日も可愛いね。」
「…はあ。朝から元気だねお父さん。おはようございます。」
お父さんは驚いた様子で私を見見てくる。
「白君!?猫の朝の悪態の勢いが弱まってるんだが!!?」
「疲れてるのかもしれませんね。」
彼はお母さんの隣で野菜の盛り付けをしていた。かれは普段通りに行動をしていた。
(………違和感をかんじる。)
気が散ってしまい、私は牛乳をグラスから溢れるほど注いでしまった。
「…っと。大丈夫?猫。」
「だ、大丈夫!気にしないで…!」
すると次は勢いあまってグラスを机の上から落としてしまった。
「大丈夫?猫…?」
「だ、大丈夫だから!」
私は慌てて付近で拭こうとする。けれどその手は彼に掴まれていた。
「ん、…牛乳だらけだね。」
彼はお父さんに見えない角度の場所で私の手を舐める。私は彼にとられていた手を引っ込める。
「…な、何を…!?」
「何って…猫の世話だよ。僕は猫の犬なんだから。」
「気持ち悪い。」
私は男慣れしていない。否、男とお付き合いをしたことはない。だからきっとここでは普通、照れたりするものだとはゲームで知っている。しかし、心の中からそう思った。一昨日の私ならきっと頰を染めているだろうが。私は彼が思いもしていなかったであろう反応のはずだ。ひいては侮蔑の目で彼を見てみることにした。けれど彼の笑顔は崩れない。彼に私の考えなどお見通しなのだろうか。昨日のように考えてる私を馬鹿女とかでも思ってるのかもしれない。
「あらあら。さすがママの娘!イケメンを犬なんて…!」
「はは。市子は相変わらずイケメンが好きだなー。」
二人は私達の間にある冷たい空気に気がつかないようで仲良く会話をしていた。
(この似非王子…!)
その後も彼は両親の前で王子仮面を外すことはなかった。両親はいつも通り仕事に出かける。私と彼はいつも通り二人だけになった。彼は両親を玄関の前で手を振ってでて行くのを見届けたあとに私の方を向く。
「猫は自分の立場をわかっているのかな?」
彼は左手の指で私の顎を上に向かせる。逃げようとすることを防ぐためか右手で壁にもたれかかるようにしている。私を逃す気はないらしい。
「あら。白は私の犬だと先ほどいっていなかったかしら?」
(ないす!私の悪態!)
私は自身の言動を心の中で褒める。
「そうだね。確かに僕は君の犬だね。そう言ったしね。」
「なら、主人のいうことはきくべきよ。犬は犬らしく尻尾でもつけたらどう?ああ、首輪もつけるべきかしら。私が選んであげるわ。」
(よし!あともう一押し!)
私は口からすらすらでる言葉に感動する。こう言う時にこそ私の脳の回転は本領を発揮するのだと今日初めて知った。彼は黙っている。どうやら相当返答に困ってるのだろう。無理もない。首輪なんてさすがにプライドとかその他においてもつけようとは思えるものではない。私は彼をあざ笑うかのように笑いかける。
(勝った………!)
「いいよ。」
「…………………………へ?」
私は口から素っ頓狂な声をつい漏らしてしまった。彼は意地悪な顔をまだ浮かべている。
「そうなると猫も首輪をつけなければならないね。ついでにリードも買っておこうか。」
私は想像する。片や美しい高校生、もう片方は高校生とは認識されないが私。二人は公園で笑いながら散歩をしている。ーーーお互いにリードを持って。
(嫌々々!!)
私は背筋に悪寒が走るのを感じた。あまりにも想像してはいけないものだった。その様は私がこの世で最も嫌悪する変態だ。もしかしたらお父さんのものよりひどいかもしれない。
「…私は遠慮する。一人で変態プレイをしてなさいよ。」
「悪い子だね。自分の言動には責任を持たないと。それとも、キスされたの…怒ってるの?」
彼は笑いながら艶かしい動作でニヤリと笑う。徐々に顔を近づけてくる。私は必死になって良い悪態の切り返しを考える。…しかし、何も出てこない。
(先ほどの勢いはどこいったー!私の悪態ー!!)
彼の顔がだんだんと近づいてくる。私は彼の目(昔からみていると妙に逆らえない目)を見て動けずにいた。彼の長い睫毛がまじまじと見える。私は昨日の濃厚なキスを思い出し、恥ずかしさに耐えきれず目を瞑る。
(っ…!)
「…ぷっ。」
私の唇には何も触れていない。むしろ肩に重みがあった。
「あー。やっぱり猫はからかうと面白いな。目に力を入れすぎ!はははっ!」
彼は私の方に顔を埋めたまま笑っていた。廊下に爆笑の声が響いく。私は呆然として彼を凝視する。私はキスをするのかと思ってたので顔があつくなる。まさかの恥ずかしい勘違いだった。
「そろそろ学校へ行く時間か。猫も仕度しろよ。ついでにその呆けた面ももう一度洗っとけよな。」
彼は軽快な足取りで私の元から離れて二階に上がって行く。私はただ立ち尽くしていた。
「なっ、なな………!?」
どうやら彼は私をおもちゃ扱いする気満々で。昨日のあれも私を困らせたかっただけのようだ。
(許せない!あの似非王子!絶対にぎゃふんといわせてやる!!)
私は心の中で彼と戦うことを宣言した。
(…そういえば昨日はご飯を食べたけど二食しかなかったな。)
その後、泣き疲れた私は部屋に隠しておいたスナック菓子をやけ食いした。泣いていたせいかまた頭が痛くなったので寝ることにしたのだ。普段ならこんなことはしない。けれど昨日は昨日でそれほど衝撃的すぎたのだった。
(……まさか、学校で白王子と呼ばれるあいつが俺様な男…黒王子だったとは…)
私はうまいことを言ったものだと自負してみるが笑えなかった。私は頭を抑えながら起き上がろうとする。けれど起き上がれない。
「……は?」
私は回らない思考回路で目を開けてみようとする。そこにいたのはー、
「白!?」
「…ああ。起きたのか。相変わらずはえーな。俺は朝は苦手なのに…。」
彼は欠伸をした。
「は、何を言っているの?いつも私より早く起きてるじゃ…というか、何故この部屋に?!」
彼は笑いながら鍵を見せてくる。
「合鍵。市子さんがくれたんだ。何かあった時のためにって。」
「何かあった後だよ…白と!というか、部屋に勝手に入ってこないで!」
「なんで?幼なじみだし、問題ないよね?お互いになんでも知ってるし。」
「よくない!それに秘密ぐらいあるだろ!」
(第一、私は秘密…乙女ゲームをしているんだ!それを知られたくはない!)
もしお母さん達に見つかったら憐れみの目に苛まれることだろう。
「秘密?俺はなんでも知ってるけど?例えば、引き出しの三番目にある参考書の下にあるものとか。」
「なっ……!?」
そこにはゲーム機が入っている。彼はほくそ笑み、さらに続ける。
「好きなキャラクターは西野だっけ?山口に少し設定が似てるな。あ、そういえば秘密といえば中学三年ぐらいの時に猫はちょっとえっちな…」
「きゃーーー!!?」
(何故知ってる!!)
「まあ別に。俺の気にすることじゃないけど。…俺に隠し事が出来ると思ってんの?」
彼は肘をついて私の顔を見つめてくる。
「…お願い。そのことは誰にも言わないで!!」
(もし彼の口から出たものなら私は二度と日向で歩くことは出来ないだろう。学校でのあだ名はむっつりスケベな猫さんとなり、さらに遠巻きに扱われていくことになる可能性がある。)
「んじゃ、俺のペットになれよ。」
「……は?」
私は思っていたものと違う答えを聞いて自身の耳を疑う。耳鼻科に行こうかと一瞬思ってしまった。
「聞こえなかった?俺のペットになれ。YESかNO。30秒以内に答えろ。」
(性格とかあまりにも違いすぎる!!?というか、もう豹変しすきだろ!!)
私は彼の得意げな顔を睨みつける。それでも彼はびくともせずに淡々と数を数える。私は悩んだ。けれど最良の手はでてこない。彼はだんだんとスピードを早める。私は息を吐き捨てるように叫んだ。
「い、YES…!」
私は昨日の今日でゲームでできなかった選択肢を述べていた。
「決まり。猫は今日から俺のペット。俺のお願いはなんでも聞くこと。あと、この性格は秘密。わかった?」
彼はそう言いながら私の椅子に腰掛ける。彼の手にあるスマホは録音画面になっていた。証言をとりましたと言わんばかりにスマホをみせてくる。…こうして、私は白…もとい、黒王子のペットになった。
「おはよう。二人とも。…どうしたの?その顔…。」
「…気にしないで。」
私はテンションが低かった。彼のせいだが。席に着くといつも通りお父さんがいた。
「おはよう。猫は今日も可愛いね。」
「…はあ。朝から元気だねお父さん。おはようございます。」
お父さんは驚いた様子で私を見見てくる。
「白君!?猫の朝の悪態の勢いが弱まってるんだが!!?」
「疲れてるのかもしれませんね。」
彼はお母さんの隣で野菜の盛り付けをしていた。かれは普段通りに行動をしていた。
(………違和感をかんじる。)
気が散ってしまい、私は牛乳をグラスから溢れるほど注いでしまった。
「…っと。大丈夫?猫。」
「だ、大丈夫!気にしないで…!」
すると次は勢いあまってグラスを机の上から落としてしまった。
「大丈夫?猫…?」
「だ、大丈夫だから!」
私は慌てて付近で拭こうとする。けれどその手は彼に掴まれていた。
「ん、…牛乳だらけだね。」
彼はお父さんに見えない角度の場所で私の手を舐める。私は彼にとられていた手を引っ込める。
「…な、何を…!?」
「何って…猫の世話だよ。僕は猫の犬なんだから。」
「気持ち悪い。」
私は男慣れしていない。否、男とお付き合いをしたことはない。だからきっとここでは普通、照れたりするものだとはゲームで知っている。しかし、心の中からそう思った。一昨日の私ならきっと頰を染めているだろうが。私は彼が思いもしていなかったであろう反応のはずだ。ひいては侮蔑の目で彼を見てみることにした。けれど彼の笑顔は崩れない。彼に私の考えなどお見通しなのだろうか。昨日のように考えてる私を馬鹿女とかでも思ってるのかもしれない。
「あらあら。さすがママの娘!イケメンを犬なんて…!」
「はは。市子は相変わらずイケメンが好きだなー。」
二人は私達の間にある冷たい空気に気がつかないようで仲良く会話をしていた。
(この似非王子…!)
その後も彼は両親の前で王子仮面を外すことはなかった。両親はいつも通り仕事に出かける。私と彼はいつも通り二人だけになった。彼は両親を玄関の前で手を振ってでて行くのを見届けたあとに私の方を向く。
「猫は自分の立場をわかっているのかな?」
彼は左手の指で私の顎を上に向かせる。逃げようとすることを防ぐためか右手で壁にもたれかかるようにしている。私を逃す気はないらしい。
「あら。白は私の犬だと先ほどいっていなかったかしら?」
(ないす!私の悪態!)
私は自身の言動を心の中で褒める。
「そうだね。確かに僕は君の犬だね。そう言ったしね。」
「なら、主人のいうことはきくべきよ。犬は犬らしく尻尾でもつけたらどう?ああ、首輪もつけるべきかしら。私が選んであげるわ。」
(よし!あともう一押し!)
私は口からすらすらでる言葉に感動する。こう言う時にこそ私の脳の回転は本領を発揮するのだと今日初めて知った。彼は黙っている。どうやら相当返答に困ってるのだろう。無理もない。首輪なんてさすがにプライドとかその他においてもつけようとは思えるものではない。私は彼をあざ笑うかのように笑いかける。
(勝った………!)
「いいよ。」
「…………………………へ?」
私は口から素っ頓狂な声をつい漏らしてしまった。彼は意地悪な顔をまだ浮かべている。
「そうなると猫も首輪をつけなければならないね。ついでにリードも買っておこうか。」
私は想像する。片や美しい高校生、もう片方は高校生とは認識されないが私。二人は公園で笑いながら散歩をしている。ーーーお互いにリードを持って。
(嫌々々!!)
私は背筋に悪寒が走るのを感じた。あまりにも想像してはいけないものだった。その様は私がこの世で最も嫌悪する変態だ。もしかしたらお父さんのものよりひどいかもしれない。
「…私は遠慮する。一人で変態プレイをしてなさいよ。」
「悪い子だね。自分の言動には責任を持たないと。それとも、キスされたの…怒ってるの?」
彼は笑いながら艶かしい動作でニヤリと笑う。徐々に顔を近づけてくる。私は必死になって良い悪態の切り返しを考える。…しかし、何も出てこない。
(先ほどの勢いはどこいったー!私の悪態ー!!)
彼の顔がだんだんと近づいてくる。私は彼の目(昔からみていると妙に逆らえない目)を見て動けずにいた。彼の長い睫毛がまじまじと見える。私は昨日の濃厚なキスを思い出し、恥ずかしさに耐えきれず目を瞑る。
(っ…!)
「…ぷっ。」
私の唇には何も触れていない。むしろ肩に重みがあった。
「あー。やっぱり猫はからかうと面白いな。目に力を入れすぎ!はははっ!」
彼は私の方に顔を埋めたまま笑っていた。廊下に爆笑の声が響いく。私は呆然として彼を凝視する。私はキスをするのかと思ってたので顔があつくなる。まさかの恥ずかしい勘違いだった。
「そろそろ学校へ行く時間か。猫も仕度しろよ。ついでにその呆けた面ももう一度洗っとけよな。」
彼は軽快な足取りで私の元から離れて二階に上がって行く。私はただ立ち尽くしていた。
「なっ、なな………!?」
どうやら彼は私をおもちゃ扱いする気満々で。昨日のあれも私を困らせたかっただけのようだ。
(許せない!あの似非王子!絶対にぎゃふんといわせてやる!!)
私は心の中で彼と戦うことを宣言した。

