駅前に出た洸は、ちょっと海でも見てみるか、と海岸の方へと歩いていった。 あんまり海が綺麗だったのと、久しぶりな気がする潮の香りに、調子に乗って、砂浜に下りてしまう。 すると、そこから、ずいぶん落ちてきた日を背に黒ずんで見えるイグレシアの建物が見えた。 綺麗だなー、と思った洸は、そちらに向かって、歩いて行っていた ……つもりだった。