わたし、結婚するんですか？

「眺めているのは好きだ。
　ただ、側に来られて、飛び乗られたりすると……」

　しかし、猫というものは、何故だろうか。

　自分を苦手な人を見ると、からかいたくなるのか、よりサービスをしなければと思うのか、寄っていく。

「うわーっ。
　来るなーっ」
と葉山は足を舐められたりしないよう、ソファの上で膝を抱える。

　みんな笑っていた。

「なによ、葉山。
　猫、苦手なのー？」

「やだ、かわいーっ」

　浜崎が出張中でよかったな、と洸は思っていた。

　居たら、おそらく、葉山に猫をけしかけている……。

　チャトランは葉山の周りをウロウロして、からかったあと、自分をアイドル扱いしてくれる女性陣の許へと悠々と戻って行った。

「……葉山。
　猫嫌いなら、なにしに来たのよ」

「お前を眺めにだ。
　あと、見張りに」

　見張るって……と言いかけたとき、ピンポン、とチャイムが鳴った。

　まさか……と思い、立ち上がる。