わたし、結婚するんですか?

 何処かを通り抜けたりすれば、反応があるはずなのだが、ない、と思っていたら、トイレの棚の上に積まれているトイレットペーパーの上にあったらしいのだ。

 掃除のおばちゃんが、
「いやー、あとで渡してあげようと思ったんだけど。
 掃除の途中で、他の掃除場所から呼ばれちゃって。

 濡れないよう、上にあげたまま、忘れてたー」
と豪快に笑って、これ、イケメンの彼に渡して、と何故か冷凍みかんをたくさんくれた。

 あんたも食べなさいねと言って。

 何故か残念そうな葉山は、

「いや、見つからなかったら、社食でIDカード使えないから、お前に社食、奢ってもらって。
 じゃあ、お礼に食事でもとか出来たのになと思って」
と言ってきた。

「いや、社食。
 現金でも食べられるからね……」
と言ったあとで、

「やっぱ、私と付き合ってるとか嘘じゃん」
と葉山に言う。

 恋人同士なら、そんな遠回しに食事に誘ったりとかしなくていいはずだ、と思ったのだ。